弊社ではサイトリニューアルのご相談を受けることが多いのですが、その際サイトを拝見するとかなり以前につくられたものであることが多くあります。
なかには10年前に制作されたサイトもあり、そのような場合に、以前と現在でどこが変わってきているか、よくお客様にお話することをまとめてみました。
1)スマートフォン対応が必要になった
2007年にiPhoneが誕生してから、もはやスマートフォンは生活に欠かせなくなりました。
業態にもよりますが、PCよりスマートフォンでの閲覧数の方が増えてきており、ウェブサイトのスマートフォン対応が必須となっています。
スマートフォン対応はGoogleの検索順位にも関係するようになり(モバイルフレンドリー)、対応していない場合は順位が下がることもあります。
またユーザーの利便性という面でも、スマートフォンで閲覧しにくいサイトは避けられる傾向があります。
BtoBのサイトであっても、移動中にスマートフォンを見ることも増えてきています。
リニューアルする際は、スマートフォン対応をかなりの優先度で視野に入れておきたいところです。
スマートフォン対応には、大きく分けて、
・閲覧するデバイスのウィンドウ幅によってレイアウトが変わる「レスポンシブデザイン」
・閲覧するデバイスを判定して表示を切り分ける「ユーザーエージェント」方式
の2通りがあります。
どちらも長所短所がありますが、レスポンシブデザインはPCのレイアウトも含めてサイト全体を作り直す必要があります。
一方ユーザーエージェント判定によるスマートフォン対応は、PCレイアウトはそのままで、スマートフォンだけ別レイアウトで制作することができます。
予算的にすべてを作り直すことが難しい場合は、ユーザーエージェント判定による方法でスマートフォン対応することも可能です。
2)Flashが使用されなくなった
以前は複雑な表現ができることで多用されていたFlashですが、現在はほとんど使われていません。
iPhoneなどのタッチデバイスで閲覧できないことに端を発して、現在はPCのブラウザでも環境設定をいじらないと再生できないものもあり、Flashコンテンツが見れないユーザーが多くなりました。
Flashで表現されていたコンテンツは、代わりにJavascriptで表現することができるようになり(Javascriptであればタッチデバイスでも閲覧できる)、今ではウェブサイトでのFlashの出番はほぼなくなりました。
弊社でも以前はかなりFlashに力を入れていましたが、7年前(2010年)を最後にFlashの案件はなくなりました。
3)画像ではなく、CSSやフォントで表現されるようになった
以前はデザイン的な観点から、見出しなどのテキストやボタン等のパーツは画像で作成していました。
ただ近年これらの画像は、高解像度のRetinaディスプレイ(iPhone4以降で搭載)で見るとぼけて見えてしまう弊害が出てきており、代わりに、表現方法が豊かになったCSSやフォントで実装することが多くなっています。
その方が高解像度ディスプレイでもくっきりと見えますし、いちいち画像を修正しなくていいので効率的ということもあります。
(ぼけないようにするには、倍サイズの画像を作成してコーディング時に1/2にするなどの手法もありますが、やはり手間がかかります)
また、以前は閲覧者のPCにインストールされているフォントでしかテキストを表示できませんでしたが、近年、フォントファイルがサーバー側にある「Webフォント」という技術を用いることで、様々なフォントで表示することが可能になりました。
Webフォントは欧米ではかなり普及していて種類も多く出ていますが、日本語は漢字など文字数が多いこともあり、アルファベット26文字しかない欧文フォントとは違ってサイズも大きくなりがちです。使用価格も高めになっています。
ただ、最近は必要な文字だけを含むようにするサブセットという方法も使われるようになり、広く実用されるようになってきています。
昔は書籍やパンフレットなど紙のデザインの延長で制作されていたウェブサイトも、技術や環境の進歩で紙のデザインとは違う考え方をとるようになってきました。
紙が「固定」されたデザインだとすると、ウェブサイトは「可変」であることを踏まえたデザインが必要になっています。
4)マーケティング・SEO対策の変化
数年前までは「SEO対策」と称して、小細工めいた手法が用いられることがありました。
しかし代表的な検索エンジンのGoogleは、検索順位をより人間が見たときに有用なサイトが上位にくるよう、頻繁に検索アルゴリズムをアップデートしています。
以前の小細工めいた手法は、現在では通用しないばかりか、逆に順位を下げる要因にもなります。
もちろん適切なタグ付けやコードの最適化、スマートフォン対応やページの関連性などの、基本的な対策は引き続き重視されていますが、最近は、よりよい内容(コンテンツ)のページをつくることが、検索上位にくる最良の策とされています。
基本的な対策とともに、コンテンツの質を上げることが重要になってきています。
また、Googleの無料ツールであるAnalytics(アクセス解析)やSearch Console(旧ウェブマスターツール)は、年々進化しています。これらツールを利用してユーザー動向を解析して、日々サイトを改善していくことが可能になっています。
ウェブサイトはつくって終わりではなく、継続的に改良を続けていくと効果を最大化できます。我々は制作をさせていただいたウェブサイトの保守運用を行っていますが、これらのツールを利用した解析を通じて改善案のご提案を行い、お客様事業の発展をお手伝いできればと考えています。
以上、大きなポイントだけを挙げてみましたが、ウェブサイトの規模や目標によって、必要なポイントはそれぞれです。
個別にご説明することが可能ですので、ご興味のある方はぜひお問い合わせいただければと思います。