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フリーランスの経費と仕訳

確定申告を始めた頃、一番頭を悩ませたのが「これは経費になるんだろうか?」「この経費はどの科目にいれたらいいんだろう?」という仕訳の問題でした。
そこで今回は、フリーランスの経費と仕訳について書いてみたいと思います。
ただ、フリーランスと言っても業種によって様々ですので、ここでは僕の業種であるWebディレクター/デザイナーを例として取り上げてみます。

家事按分

フリーランスの経費のつけ方で、一番大きなポイントになるのが「家事按分」です。
自宅で作業をすることが多いフリーランスの場合、仕事での利用分と私的利用分が区別しにくくなります。
例えば自宅は仕事でも使っていますが、それ以外の私的な用途でも使っています。
このような場合、仕事で利用している割合を決めて、その分だけ家賃や光熱費を経費にすることを「家事按分」といいます。
按分の割合は、家賃は3割だけど電話代は10割、とか科目によって変わってきますし、その人の仕事の仕方によっても変わってきます。
なので自分の実情に合わせて決めていくのですが、税務署に説明を求められた場合、ちゃんと説明できる根拠を持っておくようにします(例えば、家賃は仕事部屋と全体との面積比にするとか)。

経費の仕訳

申告書を見ると、経費の中には「消耗品費」「接待交際費」「雑費」などいろいろな科目があります。ここでは科目ごとにどんなものが当てはまるか書いていきたいと思います。
ちなみに経費欄の上に「売上原価」というものがありますが、これは商品の仕入代金や製造原価などなので、Webや出版関係のフリーランサーには該当するものはありません。

租税公課
国や地方自治体に支払った税金です。
個人事業税、自動車税、土地建物の固定資産税、印紙代などが当てはまります。
住民税とかは経費になりません。
また、同業者組合(○○IT協同組合とか)の組合費も租税公課になるようです。

荷造運賃
宅配便などの送料です。
これは通信費に算入してもいいようです(郵便は通信費で処理することが多いようです)。

水道光熱費
電気、水道、ガス料金です。
自宅を事務所にしている場合は按分が必要になります。
水道やガスは仕事に関係ないようにも思えますが、お茶も入れますし、トイレでも水は使いますし、暖房でガスを使う人もいるでしょうから、幾分算入してもいいと思います。

経理ソフトで入力している人は、毎取引を按分計算して入力していると大変ですので、最後に決算処理として一括で按分する方法があります。
その場合、水道光熱費の中に「電気代」「水道代」「ガス代」という補助科目をつくっておけば、それぞれ違う割合にして按分することができます。

按分処理

「やよいの青色申告」の画面。決算時にまとめて按分処理できる

旅費交通費
打合せ、取材で使った電車やバスの交通費、高速料金などです。
最近ではパスモなどが普及していますが、僕はチャージ料金を按分して経費にしています。
ガソリン代などもここに入りますが、僕は車両関係の支出は別に「車両費」という科目をつくって、決算時に一括で按分するようにしています。

通信費
電話料金や郵便切手代のほか、プロバイダー料金やレンタルサーバー費用もここに入ります。
僕はドメイン取得更新費用などもここに入れたりしています。
携帯電話は家族分まとめて請求がくるので、その中から僕の分だけ計算して経費にします。
また、ケーブルテレビの受信料なども按分して通信費として処理しています。
(ナショジオとか海外番組はかなりデザインの参考になるので)

広告宣伝費
DMやチラシなどの広告宣伝に関わる制作です。
名刺や年賀状の費用もここに入ります。
最近ではGoogleアドワーズなどのインターネット広告もここに入ってくるでしょう。
僕はWebサイトをつくる側の人間ですが、他の業種の人が自分のホームページをつくったときは、広告宣伝費になります。

接待交際費
取引先などと会食したときの飲み代などのほか、手土産に買ったお菓子などの費用がこれにあたります。
飲みの席では領収書を忘れないように。
割り勘のときなど多々ありますが、そのあたりは社会通念から外れた額でなければ全体額の領収書をもらって算入してもいいのではないかと思っています(自分が払っても領収書をもらえないときもあるわけですし)。
結婚式やお葬式に出席したときの慶弔費も、接待交際費に含まれます。もちろん領収書などありませんので、会葬礼状などに金額をメモしておくといいでしょう。

会議や打合せのときの喫茶店代や食事代は、別に「打合会議費」みたいな科目をつくってそちらに入れた方がいいようです。以前税理士さんと話したときは、お酒が入ったときは接待交際費で、そうじゃないときは会議費にする、みたいな話を聞きました。

※2012/2/20追記
会計実務をやっていた友人の話だと、税務署の見解としては、お酒が伴う打合せでも一人2,000円までは会議費として認めるということだったようです。
個人事業の場合は法人申告と違い、接待費でも会議費でも税務上の取扱いに違いがないので、どちらに計上しても変わりはないとのことですが・・・。
また、接待交際に絡む交通費は、接待交際費に入ります。

損害保険料
車両やコンピュータなどにかけている保険料です。事業占有でない自動車の場合は按分を忘れずに。

修繕費
車両やコンピュータなどの修理費です。
僕は車両の修繕費は「車両費」に入れてあとで按分しています。

消耗品費
文房具などの使えばなくなる消耗品の費用ですが、経理上は10万円未満の備品もこの科目に入れることになっています。
なので、10万円未満の机やパソコンソフトなども消耗品費に入ります。
一方、10万円以上のものは減価償却資産として、減価償却の計算をしなければいけません(結構面倒)。

消耗品費はふくらみがちな科目ですが、あまり大きな額になると内訳が分かりにくくなります。
特定の分野の支出が多い場合は、新たに科目を設けて分けるといいかもしれません。
例えば、
・新聞図書費 書籍や新聞などの購入費
・PC関連消耗品費 パソコン関係の支出、ソフト購入費
など。

減価償却費
上でも書きましたが10万円以上のものは減価償却の計算をし、複数年に分けて経費にします。
計算は面倒なのですが、やよいの青色申告などのソフト、あるいはe-taxはブラウザ上で計算してくれますので、そのようなツールを使うことをおすすめします。
e-taxは送信までやるには電子証明書の取得などの手続きが必要ですが、e-taxのサイトで入力・印刷だけしてそれを郵送するという使い方なら、面倒な手続きや費用は一切いりません。
減価償却の計算も、必要事項を入力するだけでやってくれますので、おすすめです。

福利厚生費
新年会や忘年会での飲み会や社員旅行などが該当しますが、親族だけの場合は認められないようです。
専従のスタッフなどがいる場合はOKのようです。
他には事務所でのお茶菓子代などが該当するようですが、これも自宅で親族だけの場合はNGでしょう。

給料賃金
専従のスタッフや従業員に「給料」を支払っている場合です。
(給料を経費にするには、税務署への届け出が必要です)
また、青色専従者への給与は違う科目になります。

外注工賃
外部スタッフに支払うギャランティ、コーディングサービスなど外部業者に支払う費用などです。

利子割引料
事業で使用するものをローンで購入した場合、利子分について経費にできます。
コンピュータや車をローンで購入した場合、または住宅ローンで購入した家を事務所にしている場合などです。
ただ支払い額のうち、元金と利子分を分けて利子分のみを算入しなければいけません。
(ローン計算書などを見るとわかる場合があります)

地代家賃
賃貸住宅で作業している場合の家賃、月極駐車場代などです。
事業使用分に応じて按分して算入します。

貸倒金
請求書を発行したが(売掛金)、回収できなかった代金です。
ただ、実際に損失として計上できるかは、相手方が倒産したがどうかなど、経理上の規定があります。貸倒金に該当するかどうかは、税務署などに相談してみてください。

雑費
上記以外のものです。
ただ雑費があまり大きな額になるのは良くないと言われています。
申告書のフォーマットにないものでも、まとめられる支出があれば、科目を設けて算入するとよいでしょう。
例えば、
・研修費 業務上必要なセミナーの参加費やスクールの授業費
・リース料 コピー機、OA機器などのリース料
など。

以上になります。
昔と違って、今は検索すると仕訳についていろんな情報がありますので、悩んだら調べてみてください。
みなさまの健闘を祈ります!

[参考サイト]
青色申告:これで完璧!「勘定科目一覧表」All About
5分で読めて必要経費が50万円増える!│築山公認会計士事務所